バセドウ病について
- 2022年3月3日
- お知らせ
甲状腺機能亢進症の体表的な病気としてバセドウ病があります。
バセドウ病は、自分の体を守るための仕組みである“免疫”が、甲状腺に反応してしまうことで起こる自己免疫疾患です。本来であれば外部からのウイルスや細菌などに対抗するための免疫システムに何らかの異常が起こり、甲状腺を刺激する「自己抗体」(TSHレセプター抗体:TRAb)ができてしまうため、甲状腺が常に刺激を受け、際限なく甲状腺ホルモンが作られ、過剰な状態(甲状腺機能亢進症)になってしまいます。
この自己抗体が作られてしまう原因は詳しくは分かっておらず、遺伝的なものに加えて、ストレスや過労などの環境要因が関わっていると考えられています。また妊娠や出産といった体内環境が大きく変化するタイミングで発症する例もありますので、いつもと少し違うな、と思ったら、しっかりと検査を受けて適切な治療を受けていただくことが大切です。
バセドウ病は女性に多く発症する病気で、男性1人に対して女性の発症割合は5人~6人であることが分かっています。また年齢別では20歳台~50歳台の発症例が多く、中でも30歳台~40歳台が特に発症率が高いとされています。1000人の中に2人~6人程度の頻度で発症すると言われており、決して珍しい病気ではありません。