甲状腺と不妊と病気
- 2022年3月3日
- 診療内容
不妊や流産の原因のひとつに甲状腺機能低下症があります。
ちょうど妊娠を希望される世代に発症することの多い橋本病は自覚症状がないことも多く、あったとしてもちょっとした体の不調だととらえ、甲状腺の病気であることに気付きにくく、詳しい検査にまで至らない傾向があります(橋本病の方でも甲状腺機能が正常な場合には不妊の原因にはなりませんのでご安心ください)。
甲状腺機能低下症が不妊の原因となるのは、甲状腺ホルモンが卵巣機能にも影響していることが理由ですが、実は日常生活では気にならない程度の甲状腺機能低下症でも妊娠率の低下や流産率が上昇する可能性が指摘されています。甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が高めである場合には甲状腺ホルモンを補う治療を検討します。
ただし、甲状腺機能低下症の治療をきちんと行っても妊娠しない場合、不妊の原因が別にある可能性が高いです。婦人科での専門的検査や治療が必要となると思われますのでご注意ください。