糖尿病の運動療法
- 2022年3月3日
- 診療内容
運動療法は、食事療法と並んで糖尿病治療の基本です。
また食後に運動をすると、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促され、より効果的に血糖値が下がります。
運動の種類
運動には、短距離走やいわゆる筋トレ(レジスタンス運動)のような無酸素運動と、ウォーキング・ジョギング・水泳などといった有酸素運動があります。
糖尿病の運動療法において適しているのは有酸素運動の方ですが、レジスタンス運動も同時に行えるとより効果的です。
効果的な有酸素運動
運動は、1回に20分から40分行い、週3回程度は実施するとよいといわれています。無理なく、そして楽しくできる運動を生活に取り入れて、習慣にして長く続けられことが大切です。
有酸素運動の例
ウォーキング
自転車
水泳
ジョギング
ラジオ体操
例えば、ウォーキングなら1日約1万歩、消費エネルギーに換算するとほぼ160~240kcalの消費が望ましいとされています。
ストレッチしている人
また、なかなか運動をする時間が取れない方は、エレベーターを使わず階段を利用してみたり、通勤の時にバス停1つ分を歩いてみたりするのも日常生活の中に運動を取り込むという点で非常に良いと思います。
運動療法の注意点
飲み薬(経口血糖降下薬)による治療やインスリン療法を行っている患者さんは、運動中に低血糖を起こす可能性があります。
ご自身が使用しているお薬について、低血糖が起こる可能性がないものかどうかを医師に確認しておきましょう。インスリン治療をしている方に関しては、運動量が多い場合には適宜運動前のインスリンを減量することも検討しましょう。
また、運動する時間帯は、低血糖の心配が少ない食後に行うことをお勧めいたします。
〇運動療法が禁止・制限される場合
血糖コントロールが極端に悪いとき
眼底出血があるとき
腎不全の状態
心肺機能に障害があるとき
骨・関節の病気を持っているとき
急性感染症を患っているとき(例として、インフルエンザなど)
糖尿病壊疽(えそ)が発症しているとき
重度の糖尿病自律神経障害
当院では、単にお薬による治療を提案するだけではなく、患者さんお一人おひとりの病状と生活環境に合わせた治療方法を糖尿病専門医が一緒に考えます。ぜひ当院にお気軽にご相談ください。