糖尿病合併症(その他)
- 2022年3月3日
- お知らせ
糖尿病は全身に様々な合併症を及ぼします。
〇歯周病
歯周病は歯周病菌による歯肉の慢性的な炎症で、歯ぐきの腫れ、出血、膿み、口臭がみられ、進行すると歯がぐらつき、最後には歯が抜けてしまします。糖尿病患者さんでは、歯周病に2-3倍なりやすく、歯周病が重症化すると言われています。また、歯周病の状態が血糖コントロールに影響し、歯周病が重症になれば血糖コントロールが悪化し、歯周病が良くなれば血糖値も改善する報告があります。
〇感染症
血糖値が高い状態では、細菌やウイルスの感染に対しての抵抗力が弱くなります。糖尿病患者さんでは、肺炎、結核、尿路感染症、皮膚の感染(水虫、蜂窩織炎など)が、起こりやすくなります。また血糖値が高いとインフルエンザや新型コロナ感染症が重症化しやすいと言われています。
〇認知症
高血糖が続く場合、また低血糖が頻発する場合も認知症を起こしやすくなります。高齢糖尿病患者さんが認知症になるリスクは糖尿病でない方の2-4倍と言われています。
〇がん(癌)
糖尿病患者さんは、がん罹患リスクが約1.2倍に増加すると言われています。部位別では、肝臓がん1.97倍、すい臓がん1.85倍、大腸がん1.40倍と有意に増加すると報告されています。
がん検診は必ず受けましょう。
〇骨粗しょう症
糖尿病患者さんは、骨の質が悪く骨折のリスクの増加が認められています。予防のために血糖コントロールのほか、食事でカルシウム、ビタミンDを接種を心がけ、日光に当たり、運動しましょう。
〇老化がはやくなる(サルコペニア、フレイル)
糖尿病患者さんは、筋肉量の低下、バランス機能の低下、骨折リスクの増加などから、高齢になると要介護状態になりやすいと言われています。健康寿命を長く保つためには、タンパク質の摂取と運動を心がけましょう。