糖尿病の食事療法
- 2022年3月3日
- お知らせ
食事療法は、食事で摂取するカロリーを単に減らすということではなく、栄養バランスにも心がけることが大切です。基本ルールさえ守れば、食べてはいけないものは何もありません。
まずは身長から適正摂取エネルギー(カロリー)を導き出し、それを朝・昼・晩バランスよく摂取できる、栄養素も考慮した献立を決定します。
以下ご自身の適正摂取エネルギー量を割り出すための計算方法を記載いたしましたので、ご興味がある方はご覧ください。
適正摂取エネルギー量計算式
①まず、以下の計算式で標準体重を出します。
標準体重(㎏) = 身長( )m × 身長( )m × 22
※例えば、170センチの方は1.8メートルに換算する
②エネルギー摂取量(Kcal) = 標準体重(Kg) × 身体活動量(Kcal)
※身体活動量は下記の表を参考にしてください。
デスクワークや軽労作が中心の仕事、主婦の方など 25~30Kcal
立ち仕事が多い仕事の方など 30~35Kcal
力仕事が多い仕事の方など 35Kcal~
※例えば、身長180センチでデスクワークが中心の方の一日の適正摂取エネルギー量は以下のように計算します。
1.7×1.7×22=63.58kg…標準体重
63.58×25=1589.5Kcal
したがって、適正摂取エネルギー量は約1600Kcalになります。
ただしご高齢の方の場合、筋肉量を落とさないことを目標に、適正摂取エネルギーが増える場合がありますので、必ず医師と相談するようにしましょう。
食事療法の注意点
すでに糖尿病合併症を起こしている人は、それらの治療も含めた食事療法が必要になります。食事療法の基本は先述した内容と同じですが、合併症の種類により、食品・栄養素の摂取量がより制限されたメニューになります。
➀脂質異常症(高脂血症)の合併症がある
エネルギー摂取量を減らし、また飽和脂肪酸、ショ糖(砂糖)・果糖の摂取量をできる限り少なくしてください。コレステロールが1日300mgを超えない食事を心がけましょう。
➁高血圧の合併症がある
血圧は、食塩の摂取量に大きく影響を受けます。食塩摂取量は1日6g未満にしましょう。
➂腎臓の合併症がある
糖尿病腎症があったり腎臓の機能が低下したりしている場合には、たんぱく質の摂取量を制限しましょう。